とても簡明な方法論!中国拳法の外家拳は外功を重んじます

教室にはお体に何か問題を抱えた方がおいでになるようで、あるご婦人は膝に水が溜まって医者に行ったが、スクワットなどで足腰を鍛えるように指導されたという相談を受けました。そのご婦人は活発に動く人だったので、医者のそのアドバイス内容にどうしたものかと困惑したのです。

身体を支えているのは、筋肉であると考える傾向が強いのでしょうか。大学のバレー選手や空手部のメンバーからもどうすれば、筋肉をよく鍛えてパワーアップが図れるだろうかという相談にも乗った経験があります。

そんなとき現代の理学療法は外家拳法によく似ているなぁと思うのです。あるいは現代医学では筋肉の働きが偏重されているのでしょうか。

確かに筋肉は身体を動かすために必要ですが、ほとんど焦点が当てられているのはいわゆる屈筋というやつで、関節を曲げるときに出力する筋肉だけのようです。

現代医学と似ている外家拳もパワーは筋肉と体格に宿ると考えるようなのです。外家拳はブルースリーに代表される永春拳などがよく知られています。

他に多くの外家拳がありますが、少林拳がルーツだとされ、中国南部に伝わった拳法の一群を指します。これらの拳法は共通点があって、筋肉を鍛えてパワーを得るという筋骨理論を信奉しています。

最近のメディアでも豊かな筋肉を身にまとった姿を美しいものとして賞賛する傾向にあるようです。確かに十分な筋肉があれば、動くのにも余裕を持って動ける気がします。

そのためダイエットのために筋肉を増強することを勧め、また弱った足腰のために筋肉増強を勧めるのでしょう。この辺りの発想も中国の外家拳の伝統と変わらない気がします。

でも、中国の外家拳は西洋式の格闘技に勝てなかったのが歴史的な事実であり、その問題点はそのままに西洋医学に基づく理学療法的な筋肉トレーニング理論にも当てはまるのではないでしょうか?

人間はタコやイカのような軟体動物ではないので、筋肉は骨があって初めて機能します。しかし残念ながら骨の太さは鍛えても変化しません。空手家の中には意図的に骨折することで骨を太くするという人もいるほど、超えるのが難しい限界が骨の太さなのです。

ある友人は筋肉を鍛えるトレーニングを続けた結果、腱を断裂してしまって、筋肉の一部が石化してしまった人もいます。つまり鍛えて堅くなってしまった腱ということになります。

そもそも筋肉が育つ原理は、鍛えると筋肉が壊れて、回復するときに太くなるという現象です。つまり破壊とそれに伴う過剰回復に期待した理論が筋肉理論だということになります。

この理論の難点は成長ホルモンに依存する回復力は20歳以降衰え始めるというところにあります。つまり筋肉を破壊したときに回復が期待通りに実現しないだろうと思えるのです。

筋肉が壊れたままの時間が長引けは活動は大きく制限されることになり、さまざまな運動技能を喪失しかねません。あるいはその期間は免疫力が低下しますので、さまざまな感染症に対策しなければないという不利益もあります。

また、筋肉は基礎代謝が大きいのでダイエットに効果的といって筋トレを勧める専門家もいます。確かに筋肉は基礎代謝が大きいのでカロリーを多く消費するでしょう。

しかし筋肉増強が老化現象への対策だとすると、食欲減退など摂食欲求も消化力も制限されており、余分な筋肉を持つことでその基礎代謝分のスタミナを失う危険もあるでしょう。

つまり医科学的な工夫をなしで、筋肉理論を運用するのは極めて難しいのではないでしょうか。そもそも身体の自然に反した考え方に基づいていますよね。だからといって、不健康になるための技術だとするのは多分言い過ぎでしょう。

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